「姑息」の本当の意味|「卑怯」ではなく「その場しのぎ」
「あいつのやり方は姑息だ」。こう言うとき、たいていは「卑怯だ」「ずるい」という気持ちを込めていると思います。ところが「姑息」のもともとの意味は、卑怯さとは別のところにあります。
本来は「その場しのぎ」
「姑息」の「姑」には、「しばらく」という読みがあります。「息」は、休む・やめること。あわせて、その場しのぎ、一時の間に合わせという意味になります。根本から解決するのではなく、とりあえずその場をしのぐ。それが本来の姑息です。
ですから「姑息な手当て」は、本来なら「とりあえずの応急処置」という意味で、そこに卑怯さは含まれていません。
なぜ「卑怯」の意味に近づいたのか
字を見ても「一時しのぎ」とは読み取りにくく、「コソク」という響きが「こそこそ」「せこい」あたりと結びついたのでしょう。その場しのぎでごまかすうちに、「ずるい」という色がついていったのかもしれません。
たとえば「姑息な手段で勝とうとする」は、いまでは「卑怯な手で」の意味で通じます。ただ本来に近いのは、「その場しのぎの手で」というニュアンスです。卑怯さをはっきり言いたいなら、「卑怯な」「せこい」と書いたほうが、まっすぐ伝わります。
「その場しのぎ」と言いたいときは
いまでは「姑息」を、本来の意味より「ひきょうな」という意味で受け取る人のほうが多くなっています。本来の意味のつもりで書いても、逆に取られてしまうことがあります。
一時しのぎの意味なら、「その場しのぎ」「一時しのぎ」「当座しのぎ」と言い換えると確実です。反対に、根本から手を入れることは「抜本的」「根本的」。「姑息」はどちらの意味で読まれるか分かれる言葉なので、大事な場面ではかみ砕いておくと安心です。
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