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「敷居が高い」の正しい意味|「高級で入りにくい」は誤用?

「あのレストランは敷居が高い」。いまでは、この言い方はかなり自然に聞こえます。高級そうで入りにくい、初心者にはちょっと気後れする。そんな意味で使う人がほとんどでしょう。

もとは「不義理で行きにくい」こと

ただ、「敷居が高い」のもともとの意味は、お金や格式の話ではありませんでした。不義理や面目のないことがあって、その人のところへ行きにくいこと。たとえば、長く連絡をしないままになっている恩師の家を訪ねるような、少し後ろめたい場面で使う言葉だったのです。「合わせる顔がない」「面目ない」と、気持ちは地続きでした。

新しい意味も、広く使われている

やっかいなのは、新しい意味のほうもすでに広く根づいているところです。「高級店は敷居が高い」と言えば、たいていの人には問題なく伝わります。それでも、本来の意味を大事にしている読み手だと、「何か不義理でもしたのかな」と一瞬ひっかかってしまうことがあります。

「会員制の店は敷居が高くて入れない」は、言いたいことは伝わりますが、本来の意味からは外れます。ここは「ハードルが高い」「気後れする」と言えば、すっと収まります。気軽に入れることを言いたいなら、対義語の「敷居が低い」も使えます。反対に、「ご無沙汰してしまって、先生のお宅は敷居が高い」は、後ろめたさが理由ですから、もとの意味に合っています。

後ろめたさか、気後れか

実際、この語は本来の意味と新しい意味の両方で受け取られています。「それは誤用だ」と切り捨ててしまうより、どちらの読み手にも誤解なく届く言い方を選ぶほうが、たぶん気がらくです。

迷ったときは、その「行きにくさ」が、人への後ろめたさなのか、場所やレベルへの気後れなのかを考えてみてください。後ろめたさなら「敷居が高い」、気後れなら「ハードルが高い」がしっくりきます。どちらの気持ちなのかが見えると、言葉は自然と決まってきます。

出す前に、さっと校正

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