間違えやすい日本語⑤:「うがった見方」「他山の石」「情けは人のためならず」の正確な意味とは?
一語の言葉と違って、慣用句やことわざは意味を字引で引き直す機会がなかなかありません。耳で覚えて、前後の雰囲気で意味を推し量る。その積み重ねのうちに、本来とそっくり逆の意味が定着してしまうことがあります。
今回の3つは、その代表格です。褒め言葉のはずが悪口に、学びの言葉のはずが失礼に、親切のすすめのはずが突き放しに。どれも逆向きに転がってしまいました。まずは3つの向きをつかんでから、気になるものを個別の記事でどうぞ。
「うがった見方」は、疑うことではなく本質を突くこと
「うがった見方をするな」と言うとき、たいてい「勘ぐるな」という意味が込められています。けれど「穿つ」は穴を掘り抜くことで、本来の「うがった見方」は物事の本質を捉えた見方。むしろ褒め言葉に近い言い回しです。
「穿つ」という字の話は、「うがった見方」の本来の意味で掘り下げます。
「他山の石」は、手本ではなく「よその粗い石」
「先輩の仕事ぶりを他山の石として頑張ります」と言うと、実は失礼にあたります。本来の「他山の石」は、他人の誤った言行も自分を磨く助けになるというたとえ。引き合いに出しているのは、立派な玉ではなく粗い石だからです。
三千年前の詩に由来するこの言葉の成り立ちは、「他山の石」の意味と使い方へ。
「情けは人のためならず」は、親切のすすめ
「情けをかけるのは本人のためにならない」という突き放しの意味で使われがちですが、本来は正反対です。人にかけた情けは、巡り巡って自分に返ってくる。だから惜しまず親切にしよう、という教えです。
分かれ目は「ならず」の読み方にあります。詳しくは「情けは人のためならず」の意味で。
まとめ:正誤早見表
| 言葉 | よくある誤解 | 本来の意味 |
|---|---|---|
| うがった見方 | 疑ってかかる、ひねくれた見方 | 物事の本質を捉えた見方 |
| 他山の石 | 他人の良い言行を手本にする | 他人の誤った言行も自分を磨く助けになる |
| 情けは人のためならず | 情けはその人のためにならない | 情けは巡り巡って自分に返ってくる |
出典:文化庁「国語に関する世論調査」 平成12年度 / 平成23年度 / 平成25年度
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